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Windows 11 管理者なのに管理者権限がない時の復旧方法

公開日

Windows11で、管理者ユーザのはずなのに管理者権限がなくなり、権限が必要な操作が行えなくなることがあります。
このような場合は、別の管理者ユーザでサインインするか、Windows標準で無効化されているAdministratorアカウントを有効化してサインインし、問題のユーザに管理者権限を再付与することで復旧できます。 管理者権限が正常に戻らない場合は、ユーザプロファイルの破損が原因の可能性があります。その場合は、プロファイルを再構築することで復旧できる場合があります。 このページでは、管理者権限が失われたときに起こる症状、原因、管理者権限を戻すための復旧手順を紹介しています。


管理者権限が失われた時に起こる主な症状


ここでは、管理者権限が外れたり、認識されなくなったときに起こりやすい症状を説明しています。
下記のような状態が発生している場合は、現在のユーザが管理者として扱われていない可能性が高く、復旧が必要です。

1. 管理者が必要な操作が実行できない

アプリのインストールやアンインストール、ドライバ更新などで「この操作を実行するには管理者権限が必要です」と表示され、先に進めません。
これまで問題なく操作できていたものが突然できなくなった場合は、アカウントの管理者権限が外れている可能性があります。

2. 「管理者として実行」が使えない/UAC が表示されない

アプリやコマンドを右クリックしても「管理者として実行」が表示されない、またはクリックしても何も起こらない状態です。
通常であれば表示される UAC(ユーザーアカウント制御)の確認画面が出なくなる場合も、管理者権限が正しく働いていないサインです。

3. アカウントの種類が「標準ユーザー」になっている

設定アプリやアカウント情報を確認したときに、本来は管理者であるはずのアカウントが「管理者」と表示されず、「標準ユーザー」として扱われている状態です。
サインインはできても、システム変更やインストールなどの操作が実行できないため、管理者権限が失われている可能性が高い症状です。

最初に確認すべきポイント


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復旧作業に進む前に、現在のアカウント状態や他の管理者アカウントの有無を確認します。
最初に状況を整理しておくことで、無駄な操作を避けてスムーズに復旧手順へ進めます。

1. 現在サインインしているアカウントの種類を確認

今サインインしているアカウントが、Windows に「管理者」と認識されているかを確認します。 1. アカウントの設定を開く 「スタート」ボタンをクリックして、スタートの「設定」をクリックします。
スタートから設定アプリを開く 「アカウント」をクリックすると、アカウントの設定画面が表示されます。
設定のアカウントを開く 2. アカウントの情報画面で、「管理者」と表示されているか確認します。
Windows11 アカウントの管理者権限の確認 3. アカウントの種類の下に 何も表示されていない 場合は、「標準ユーザー」として扱われており、管理者権限が外れた状態です。
Windows11 アカウントが標準ユーザの状態 ここで確認できるのは、現在サインインしているアカウントの状態のみです。
他に管理者アカウントが存在するかどうかは、次の項目で確認します。

2. 他の管理者アカウントが存在するか確認

同じPC内に別の管理者アカウントが存在する場合、そのアカウントから権限を復旧できる可能性があります。 1. サインイン画面で、左下に表示されるユーザー一覧を確認します。
Windows11 他のユーザの存在確認 2. 別のアカウントが表示されている場合は、そのアカウントでサインインできるか試します。
Windows11 他の管理者ユーザでサインイン 他のアカウントが「管理者」でサインインできる場合は、そのアカウントから管理者権限を戻すのが最も安全です。
詳しい手順は、後述の「管理者権限を戻す復旧手順」で説明します。

3. netplwiz を使った設定変更をしていないか

自動ログインやパスワードの管理を netplwiz で変更した直後から権限の不具合が出ている場合、その操作が原因になっているケースがあります。 Windows11 netplwizでユーザの設定画面 特に、グループ設定の変更や、実際のパスワードと異なるパスワードを設定した場合、管理者権限が外れてしまうことがあります。
思い当たる場合は、次の復旧手順で「管理者グループ」を再設定してください。

管理者権限を戻す復旧手順


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ここでは、別の管理者アカウント、または Administrator アカウントでサインインして、管理者権限を失ったアカウントを元に戻す手順を紹介しています。
他の管理者アカウントの有無によって手順が分かれるため、先に確認してから進めてください。

1. 管理者アカウントでサインインする

他の管理者アカウントから権限を元に戻す

他の管理者アカウントでサインインできる場合は、そのアカウントから権限を復旧するのがもっとも安全です。
別の管理者アカウントでサインインして、下記の手順で 管理者権限を失ったユーザを管理者に戻します

他の管理者アカウントがない場合

管理者アカウントが1つしかない、またはすべての管理者アカウントでサインインできない場合は、通常の方法では権限を復旧できません。
この場合は、Windows標準で無効化されている Administrator(管理者)ユーザ を一時的に有効化して復旧します。

Administratorユーザを一時的に有効化してサインインする


1. サインイン画面で「Shift キー」を押したまま、「電源」→「再起動」を選択して、回復環境(WinRE)を起動します。
Windows11 サインイン画面から回復環境を起動 2. 回復環境の「オプションの選択」で「トラブルシューティング」をクリックし、次の画面で「詳細オプション」を選択します。
Windows11 修復オプションのトラブルシューティングを選択 3. 「コマンドプロンプト」をクリックします。
Windows11 回復環境からコマンドプロンプトを起動 4. コマンドプロンプトが開いたら、サインイン画面でコマンドを実行できるようにするため、次のコマンドを入力して「Enter」を押します。
copy cmd.exe utilman.exe
Windows11 winREのコマンドでアクティビティ操作でコマンドプロンプトが開く設定 5. PC を再起動し、サインイン画面右下の「アクティビティ(簡単操作)」をクリックしてコマンドプロンプトを開きます。
次のコマンドを入力し、「Enter」キーを押して Administrator を有効化します。
net user administrator /active:yes
Windows11 Administratorユーザの有効化 Administrator の有効化とサインイン手順は、下記のページで詳しく紹介しています。
Windows11 Administratorを有効化してサインインする手順 作業が終わったら、安全のため Administrator を無効化し、通常のアカウント状態に戻すことを忘れないでください。

2. 管理者権限を失ったユーザを管理者に戻す

設定アプリからアカウントの種類を変更する


1. 管理者アカウントでサインインします。
Windows11 他の管理者ユーザでサインイン 2. 設定を開き、「アカウント」→「他のユーザー」を選択します。
Windows11 アカウント設定の他のユーザー 3. 権限を元に戻したいアカウントを選択し、「アカウントの種類の変更」をクリックします。
Windows11 アカウントの種類を変更するユーザを選択 4. 表示される一覧から「管理者」を選択して保存します。 Windows11 アカウントの種類を管理者に変更 設定から管理者権限を変更できない場合は、次のコマンドによる方法を試します。

コマンドでAdministrators(管理者)グループに再追加する

設定アプリで管理者権限を変更できない場合は、コマンドで管理者グループに追加します。 1. 管理者としてコマンドプロンプトを開きます。
  • キーボードの「Windows」キーを押した後に、「cmd」と押します。
  • 検索画面が表示されたら、コマンドプロンプトの「管理者として実行」をクリックします。
※この操作は、検索で「cmd」と入力する操作と同じです。
Windows11 検索から管理者でコマンドプロンプトを起動 スタートメニューから
スタートメニューから起動する方法は、「すべてのアプリ」をクリックして、一覧の「Windows ツール」をクリックするとエクスプローラーが開き、「コマンドプロンプト」を右クリックしたメニューの、「管理者として実行」をクリックします。
Windows11 スタートメニューから管理者でコマンドプロンプトを起動

2. 次のコマンドを入力して「Enter」キーを押します。
net localgroup administrators ユーザ名 /add

ユーザ名 は実際のアカウント名に置き換えてください。)
操作が完了したら PC を再起動し、対象アカウントでサインインして管理者権限が復旧しているか確認します。
正常に戻らない場合は、次のプロファイルの再構築が必要です。

3. 管理者権限が正常に戻せない場合(プロファイル再構築)

管理者グループに追加しても、設定アプリが開けない、エクスプローラが落ちる、サインイン後に動作が不安定になる場合は、ユーザプロファイル自体が破損している可能性があります。 この場合は、問題のアカウントに権限を付け直すのではなく、新しく管理者アカウントを作成してデータを移行する のがもっとも安全です。
ユーザフォルダ(ドキュメント、ピクチャ、AppData\Roaming など)を新しいアカウントへコピーし、プロファイルを再構築して環境を整えます。 ユーザプロファイルの再構築手順は、下記のページで詳しく紹介しています。
Windows11 ユーザプロファイルを修復して再構築する方法

管理者権限が失われる主な原因


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ここでは、管理者権限が失われる代表的な原因を紹介しています。今後の再発防止の参考にしてください。

1. Windows Update や機能更新の不具合

大型の機能更新や更新プログラムの適用中にエラーが発生すると、ユーザ情報や権限設定が一部初期化されることがあります。
更新直後から管理者権限の不具合が出始めた場合は、このパターンが疑われます。

2. netplwiz やユーザ管理の誤操作

自動サインイン設定やユーザの削除/グループ変更を netplwiz で行った結果、管理者グループから外れてしまうケースがあります。
特に、ユーザの削除やグループ変更を行った直後から不具合が発生した場合は、その操作が原因になっている可能性が高いです。

3. ユーザプロファイル/SID 情報の破損

アップデート中の電源断や強制終了により、ユーザプロファイルや SID(セキュリティ識別子)の情報が壊れることがあります。
ProfileList と実際のユーザフォルダ構成が一致しない状態になると、正しい権限を持つアカウントとして認識されず、不具合が発生します。
簡単にいうと「アカウント情報の紐づけが壊れる」ことで、管理者として扱われなくなる状態です。 ローカルアカウントの場合は、SID のレジストリの修正で復旧できる場合もあります。

4. サードパーティソフトやスクリプトによる権限変更

一部のメンテナンスツールやスクリプトが、ユーザのグループ設定やポリシーを変更してしまうことがあります。
この場合、意図せず管理者グループから外れてしまい、設定変更やインストールが行えなくなることがあります。

5. 誤って標準ユーザーに変更してしまった

家族や共有PCなどで、他のユーザが設定からアカウントの種類を変更してしまうケースもあります。
標準ユーザーに変更されると、自分では元に戻せないため、別の管理者アカウントや Administrator からの復旧が必要になります。
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筆者 監修 Yukiko Mishima
著者/ Yukio Mishima
主に企業や組織のPCサポートとシステム構築のPCエンジニアリング。現場で経験した問題解決や設定など紹介しています。
筆者プロフィールとパソブルの運営情報
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