Windows 11 イベントビューアーの見方と主なエラーの確認方法
公開日
イベントビューアーは、Windows11の動作に関するさまざまな情報を記録したログです。特に「システム」ログには、PCの問題を特定したり、不具合を未然に防ぐために役立つ重要な情報が含まれています。PCの調子が悪いときなど、イベントビューアーを確認することで、重大な問題が起こる前に早期に対処ができます。 このページでは、Windows11のイベントビューアーの見方と、主なエラーの一覧や深刻なエラーの内容を紹介しています。
目次
Windows11イベントビューアーの見方
イベントビューアーは、Windows11のシステム内部で発生した事を記録するツールです。エラーや警告、情報などのログを確認することで、PCに不調が起きたときの原因を特定するヒントになります。ここでは、イベントビューアーの見方や使い方、構成を紹介しています。イベントビューアーの開き方
1. スタートボタンを右クリックしたメニューの「イベントビューアー」をクリックします。


POINT!
「Windows ログ」の「システム」が、PCの動作にとってもっとも重要なログです。
イベントビューアーのエラーの見方
ここでは「システム」ログを開いた状態の画像で説明しています。「Windows ログ」の項目(例:システム)をクリックすれば、ログが表示されます。
エラーの見方
イベントビューアーは「情報」「警告」「エラー」「重大」などがあり、「重大とエラー」が「エラー」に関してのログです。エラーを見やすくするため操作は、下記の「5」で説明しています。イベントビューアーの見方

- イベントビューアーの各ボックスのサイズを変更すれば見やすくなります。
ボックス枠の端に合わせマウスで「両矢印」カーソルに変われば、クリックしたままサイズを変更することができます。 - ログが記録された日時や「ソース(出力元)」などが表示されています。
- ログの「イベント ID」は、発生した問題を特定するためのIDナンバーです。
- ログが記録された内容の説明が表示されています。
- 「現在のログをフィルター」を開いて設定すると、ログの種類「重大」「エラー」「情報」を、エラーのみの「重大とエラー」だけ見ることができるようになります。
スポンサーリンク
イベントビューアーの構成
ベントビューアーは、Windows11のシステムやアプリケーションなどが出力したログを、種類ごとに記録し構成しています。
主なログの種類
Application
アプリに関連するエラーや情報が記録されます。例:Office やセキュリティソフトなどの動作に関する情報です。
ボックス枠の端に合わせマウスで「両矢印」カーソルに変われば、クリックしたままサイズを変更することができます。セキュリティ
ユーザーのサインインやサインアウト、サインインの失敗などのセキュリティイベントが記録されています。Setup
主にWindows11の更新プログラムのアップデートやセットアップなどが記録されています。システム
システム、ドライバ、ハードウェア、電源操作など、OSの根幹に関連するものが記録されています。再起動やブルースクリーン、ハードウェア、システムのエラーなどが確認できます。Forwarded Events
他のPCやネットワーク上のデバイスから転送されたログを記録しています。個人で使うPCでは、ログはほとんど記録されません。
イベントビューアーに記録される主なエラーとその内容
イベントビューアーは、Windows11のハードウェアやシステムなどパソコンの根幹に関連するののエラーを記録しています。「エラー」や「重大」などのログを確認することで、不具合を未然に防いだり、問題の原因を特定するのに有効です。ここでは、主なエラーの一覧と、深刻な問題のエラーの内容を紹介しています。スポンサーリンク
ハードウェアに関するエラー
ハードウェアに関する主なエラーの一覧
ソース | イベントID | 概要 |
---|---|---|
Kernel-Power | 41 | システムが正常にシャットダウンせず再起動された(電源・ハードウェアの可能性) |
WHEA-Logger | 17 | ハードウェア修正エラー(例:メモリエラー、CPU キャッシュ) |
WHEA-Logger | 18 | 重大なハードウェア障害(致命的エラー) |
Disk | 7 | ドライブでデータの遅延・書き込み失敗 |
Disk | 11 | デバイスからのデータ読み取りに失敗(I/Oエラー) |
Disk | 51 | ディスクに対するI/O操作に遅延・失敗が発生 |
Ntfs | 55 | NTFSファイルシステムの破損が検出された |
ACPI | 13 | 電源管理(BIOS設定や省電力)の不整合 |
EventLog | 6008 | 前回のシャットダウンが予期しないものだった |
MemoryDiagnostics-Results | 1201 | Windowsメモリ診断の結果を記録(異常の有無) |
ハードウェアの深刻なエラーの内容
イベントID 41(Kernel-Power)
このイベントエラーは、システムが正常にシャットダウンできなかった場合です。強制終了や電源切断、ブルースクリーンなどの後に発生するエラーです。 主な原因- 電源ユニットの不良
- 過剰な負荷でのシャットダウン
- ドライバのバグによるクラッシュ
- メモリエラー、CPUエラーなどのハードウェアの障害
イベントID 6008(不正シャットダウン)
このイベントは、異常なシャットダウンが発生したときです。上記の「ID 41」と合わせて表示されることも多く、クラッシュやフリーズの兆候が疑われます。 主な原因- 電源ボタンによる強制終了
- 停電などの外部要因
- ハードウェアやドライバの不具合によるシステム停止
イベントID 9、11、15(Disk / Controller エラー)
ディスクやストレージコントローラーに通信障害や読み書きエラーが発生した場合のエラーです。SSDやHDDやマザーボード側の問題が疑われます。 主な原因- SATAケーブルの緩み・故障
- ストレージデバイスの老朽化
- ストレージコントローラーの障害(SSDドライバの不具合など)
イベントID 1(WHEA-Logger)
WHEA(Windows Hardware Error Architecture)は、CPUやメモリ、マザーボードが関連する致命的なハードウェアエラーを検出するように言われているので、特に注意が必要です。 主な原因- CPUのオーバークロックによる不安定動作
- メモリ不良
- ハードウェアの放熱や電圧の問題
ハードウェアエラーは、PC本体の故障や不具合の前兆であることが多いので、突然起動できなくなることもあり注意が必要です。特定のエラーが何度も出ている場合や、動作に異常があるときは、早めに点検や修理依頼を検討するようにしてください。
ディスクドライブに関するエラー
ディスクドライブに関する主なエラーの一覧
イベントソース | イベントID | 概要 |
---|---|---|
Disk | 7 | デバイスに不良ブロックがある可能性(HDD特有エラー) |
Disk | 51 | I/O 操作の遅延または失敗(HDD/SSDアクセス障害) |
Disk | 55 | NTFS ファイルシステムの破損が検出された |
Disk | 157 | ディスクの取り外しやリセットが検出された |
Ntfs | 137 | ファイルシステムがドライブのキャッシュをフラッシュできなかった |
atapi | 11 | CD/DVDドライブなどATAPIデバイスとの通信エラー |
storahci | 129 | ストレージデバイスがタイムアウトした |
iaStorA | 129 | Intel SATAコントローラのタイムアウトエラー |
disk | 153 | ディスクドライブが応答しないため再試行された |
ディスクドライブの深刻なエラーの内容
イベントID 7(Disk)
ディスクデバイスで「CRCエラー(巡回冗長検査エラー)」が発生。データの一部が読み書き中に破損や転送不良が起きている状態です。 主な原因- HDD/SSD の物理的劣化
- ケーブルの断線や接触不良
- コントローラーやマザーボードの異常
イベントID 9(atapi / storahci)
ディスクコントローラーが、ストレージとの通信がタイムアウトし、応答しないデバイスを検出している状態です。 主な原因- SATA・NVMeデバイスの故障または接続が不安定
- デバイスドライバの不具合
- ストレージ自体の物理的な故障
イベントID 11(Disk)
ディスクドライブが正常に動作しなかったエラーで、もし「デバイスは応答しませんでした」という内容が含まれる場合は、深刻なハードエラーの兆候です。 主な原因- HDD/SSD の故障(セクタの不良も含む)
- ストレージとの通信失敗良
- コントローラーやOSによるエラー
イベントID 15(Disk)
ディスクドライブにアクセスできなかったエラーで、ファイルシステムやOSがI/Oエラーを返している可能性があります。 主な原因- ディスクドライブの電源供給の切断
- Windows11の不具合やドライバの不具合
- 物理的なディスクドライブのクラッシュ
イベントID 51(Disk)
「ページング操作中に I/O エラーが発生した」という警告で、ディスクが一時的に応答できなかったエラーです。頻繁にエラーが出る場合は重大な故障の兆候です。 主な原因- ディスクドライブの電源供給の切断
- Windows11の不具合やドライバの不具合
- 物理的なディスクドライブのクラッシュ
イベントID 7、9、11、15、51 はすべて「Disk」または「storahci」などのソース名でエラーが記録されます。 エラーの発生が増える場合は、ディスクドライブの故障、データ消失やシステムクラッシュの前兆となるので特に注意が必要です。
状況に応じて、チェックディスク「CHKDSK」を実行して、エラーのチェックや修復を行うのが推奨です。
ドライバに関するエラー
ドライバに関する主なエラーの一覧
ソース | イベントID | 説明 |
---|---|---|
Disk | 7 / 51 | ディスクの不良セクタや入出力エラーが発生した可能性 |
1001 | BugCheck | ブルースクリーン発生時の記録。ドライバエラーが原因の可能性あり。 |
2000〜2005 | UMBus / ACPI / NDIS など | 各種システムドライバの応答不良や初期化失敗。バス制御や電源管理の異常。 |
7000〜7026 | Service Control Manager | ドライバサービスの起動失敗。ネットワークや記憶装置関連が多い。 | nvlddmkm | 13 / 4101 | NVIDIA グラフィックドライバの応答停止など |
atikmdag | 43029 / 52236 | AMD グラフィックドライバのクラッシュ報告 |
Service Control Manager | 7000 / 7001 / 7034 | ドライバに関連したサービスの起動失敗・強制終了 |
DriverFrameworks-UserMode | 10110 / 10111 | ユーザーモードドライバのタイムアウト |
Kernel-PnP | 219 | ドライバの読み込みに失敗したデバイスが存在 |
ドライバの深刻なエラーの内容
イベントID 10(WMI)
WMI(Windows Management Instrumentation)クライアントが無効なドライバ、またはドライバの情報の取得に失敗したときのエラー。 主な原因- デバイスドライバの破損、またはドライバの操作により不要データが残っている
- デバイスのレジストリ情報との不整合
- ドライバの不適切なアップグレードやインストール
イベントID 219(Kernel-PnP)
起動時またはデバイス接続時にドライバの読み込みに失敗。一般的に、ドライバーが無効、または存在しないような内容のエラー。 主な原因- 古い/互換性のないドライバの使用
- デバイスとWindows11間の不整合
- サードパーティ製ドライバによる誤動作
イベントID 2000〜2005(UMBus、ACPI、NDIS )
システムドライバ(電源管理、ネットワーク、バス制御)などの初期化の失敗や通信の失敗、または予期しない応答が発生した場合のエラー。 主な原因- カーネルモードドライバの不安定動作
- デバイスファームウェアとの互換性不良
- ACPI や PCI バス系統の不具合
イベントID 1001(BugCheck)
ブルースクリーン(STOPエラー)によりクラッシュし際に、原因コードと共にに記録されるエラー。ほとんどの場合、ドライバの暴走が原因で発生します。 主な原因- カーネルモードドライバの致命的なエラー(メモリアクセス違反など)
- ネットワークドライバ、グラフィックドライバなどのバグ
- ドライバ間の競合
イベントID 1003(DHCP)/ 1014(DNS Client Events)
ネットワークドライバの動作異常により、IPアドレスの取得や名前解決が失敗したときのエラー。主にネットワークの接続不良が疑われる場合に発生します。 主な原因- ネットワークアダプタドライバの不具合や競合
- ドライバと OS の互換性不良
- スリープ復帰後の接続不良
イベントID 1003(DHCP)/ 1014(DNS Client Events)
ネットワークドライバの動作異常により、IPアドレスの取得や名前解決が失敗したときのエラー。主にネットワークの接続不良が疑われる場合に発生します。 主な原因- ネットワークアダプタドライバの不具合や競合
- ドライバと OS の互換性不良
- スリープ復帰後の接続不良
イベントID 219、10、1001 は、ドライバの不具合が原因で発生する代表的なエラーです。219 と 10 は、ブルースクリーンが発生する兆候としても注目される重要なエラーです。
ドライバに問題に絞って、不具合があるのか確認する方法や対処法については、下記のページを参考にしてください。
Windwos11 ドライバの不具合を確認して問題に対処する方法
システムに関するエラー
システムに関する主なエラーの一覧
ソース | イベントID | 概要 |
---|---|---|
Service Control Manager | 7000 | サービスが開始に失敗した(依存関係やドライバ問題) |
Service Control Manager | 7001 | 依存するサービスが開始されなかった |
Service Control Manager | 7026 | ブート時にドライバの読み込みに失敗 |
Service Control Manager | 7031 | サービスが予期せず終了した |
User32 | 1074 | ユーザーまたはプロセスによるシャットダウン/再起動要求 |
EventLog | 6005 | イベントログサービスの開始(システムの起動) |
EventLog | 6006 | イベントログサービスの停止(正常なシャットダウン) |
Winlogon | 6001 | Windows ログオンプロセスに関する異常 |
Kernel-General | 12 | OSの起動が開始されたことを示す(ログ開始の目印) |
Time-Service | 36 | システム時刻が大きく変更された |
システムの深刻なエラーの内容
イベントID 41(Kernel-Power)
システムが正常にシャットダウンされなかったエラー。突然の電源断やシステムのクラッシュによって再起動やシャットダウンされた場合のログです。バッテリーや電源ユニットの不具合、Windows11の致命的なエラーも含まれます。 主な原因- 電源ユニットの障害
- ハードウェア障害やオーバークロックによる負荷
- スリープ復帰後の接続不良
- リソース不足によるフリーズ後の強制再起動
イベントID 6008(EventLog)
システムが「予期しない方法」でシャットダウンされなかったエラー。電源断やOSフリーズなどの後に自動で再起動された場合によく記録されます。また、上記のイベントID 41と連動することも多いです。 主な原因- フリーズまたはクラッシュ後の強制終了
- 電源供給の停止やバッテリー切れ
- スリープ復帰後の接続不良
- リソース不足によるフリーズ後の強制再起動
イベントID 1000(Application Error)
Windows11やアプリケーションがクラッシュ(例:explorer.exeやsvchost.exe)したをきのエラー。システムファイルが対象の場合は、OSの安定性に関わる場合があります。 主な原因- アプリケーションのバグや互換性問題
- メモリの不具合やリソース不足
- システムファイルやアプリなどのDLLファイルの破損
イベントID 2004(Resource-Exhaustion-Detector)
システムのメモリリソースが極端に上がり、プロセスの実行が制限されたときのエラーです。仮想メモリの多用やプロセスの暴走時に記録されます。 主な原因- メモリリーク(特定アプリやサービスの不具合)
- 不要なバックグラウンドプロセスの過剰起動
- 仮想メモリ設定の不足
イベントID 1000(Application Error)
Windows11やアプリケーションがクラッシュ(例:explorer.exeやsvchost.exe)したをきのエラー。システムファイルが対象の場合は、OSの安定性に関わる場合があります。 主な原因- アプリケーションのバグや互換性問題
- メモリの不具合やリソース不足
- システムファイルやアプリなどのDLLファイルの破損
システム関連のエラーは、単発であれば一時的な不具合や外部要因による可能性もありますが、繰り返し記録される場合は、システム自体の整合性、システムドライバ、またはレジストリの破損といった深刻な問題が発生する場合もあります。
頻繁にシステムエラーが発生している場合、早急にシステムファイルのチェックと修復を実行することが推奨です。
スポンサーリンク